Contemporary Sniping Rifles 現代スナイピング・ライフル
Abstract : 講演概要
かつてすべてのライフルはスナイピング・ライフルであった。連発機構が無く、1発の装填に時間のかかる時代には、1発必中が求められたからだ。
スナイパーという概念が登場したのは、南北戦争の時期と言われている。彼らの多くはハンターであった。ドイツではイェーガー(猟師)と呼ばれる。優秀なハンターは優秀な射撃手であったわけだ。
その時代のスナイピング・ライフルは、実質的にハンティング・ライフルおよび通常の軍用銃と同じものだった。優秀な射手に、一般の銃の中から精度の良いものを選んで渡していたということが唯一の違いだ。
第一次大戦は、塹壕戦であり、遠距離からの狙撃対象は、敵の指揮官と機関銃手であった。この頃、スナイピング・ライフルには照準器を精密に作るといった改良が加わりはじめる。
第二次大戦において、各国がスナイピング・ライフルを装備するようになるが、この時点でもそのベースになったのは一般歩兵銃であった。
軍隊における狙撃は、ある意味で精度をあまり厳密に要求しない。撃つ方向にいる者は、すべて敵である。多少の誤差は、あまり重要ではなかった。
大きなターニング・ポイントは比較的近代になって、警察活動において発生した。ミュンヘンオリンピックで起こったテロでの狙撃失敗は、人質全員の死亡という悲惨な結果に終わった。
スナイピング・ライフルは徹底的な精度が求められるようになる。ドイツは様々な銃を、警察の装備としてテストした。また各国の特殊部隊も同様に、高精度なライフルを装備し始めた。それらの銃は、射撃競技銃と比較して、あまり明確な差は無くなった。精密射撃という目的は一緒であるからだ。
一方、フォークランドやヘルツェゴビナの紛争で、50口径のMGに一般歩兵が悩まされた経験から、同じ50BMGを使用するアンチ・マテリアル・ライフルをスナイパーが装備するという傾向も起こった。従来のライフルの射程をはるかに超える長距離狙撃用としてだ。
運搬時の負担低減や、長銃身化に対する対応として、ブルパップやフォールディング・ストックを持つスナイピング・ライフルも登場した。
暗闇での狙撃の必要性から第二次大戦末に登場した暗視スコープは、その後、改良発展を続け、現在ではサーマル・イメージ・モニターを複合化させた照準システムも開発されている。そしてサイレンサーを装備するスナイピング・ライフルも登場した。
このセミナーでは、過去から現在に至るまでのスナイピング・ライフルを、ドイツでの状況を軸にして、その他の国の状況を取り混ぜながら、最新のモデルに至るまでを詳細に解説する。普仏戦争のドライゼから、.338Lapuaの最新モデルまで, スナイピング・ライフルの大きな変化を感じとって頂きたい。
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