SKB Model 1300 スキート by Takuya Nagamoto
最近、中古のガスオート・ショットガンを格安で入手した。すでに絶版になっている、SKBのMODEL1300/SKEETだ。
(*我が国ではセミオートマチック・ショットガンをオート、もしくは自動と称している。厳密にいえばオート、自動とはフルオートマチック機能を有する場合に使う言葉だ。しかしここでは我が国のショットガン界の慣例にしたがって、オート、自動と記載する)。
これは自動銃でありながら“スキート専用モデル”という、とっくの昔に絶滅した機種だ。
70年代〜80年位の頃にスキート射撃で多少流行ったセミハイリブ、大口径スプレッダーチョーク(Spreader choke)、横スリットのマズルブレーキ、狩猟モデルとは違ってコムドロップの少ない射撃用にデザインされた銃床を装備した銃だ。スキート専用自動銃として代表的な国産モデルは、フジ・パーフェクト・スキートだ。SKBはこの銃を参考に、M1300を開発したと思われる。

The '70s
この銃が活躍した1970年代は、32g装弾が主流で、ルール上、ダブルも少なかった。だからオートでもさほど不利ではなかったのだろう。また、当時は国産上下で25万位〜、輸入銃などは、安いもので80万と言う価格のものがザラという時代だった。現在はほとんどの銃砲店で値引きをおこなっているが、当時は値引きなど殆ど無い。勿論、ここで言う25万、80万は当時の価格だ。現在の25万、80万とは訳が違う(たとえば1976年度の大卒初任給は平均9万4千円で、為替レートは概ね$1=¥300-程度であり、外国製品は必然的に高価であった)。
当時のルールは、ダブル射撃が少なく、(当時は1,2,6,7番のみ。振り角も少なければ肩を引いた為の回転不良も尚更起きにくい)、使用されていた32g装弾ならそれほど回転不良は起こらない。
SKB M1300は当時、国産上下2連銃より10万円ぐらい安い15〜16万程度だったと推定できる。今のように豊かな時代ではない。これだけ価格が違い、ルール的にもあまり不利でないなら、競技用としても、充分選択肢に入っただろう。
もっとも私は、その時代のことは良く知っているわけではない。その時代はまだ子供だった。私にスキート射撃を教えてくれた師匠も、射撃を始めた頃は、Remington M1100で射撃をしていて、その銃で公式戦にも参加していた。さすがに国体はM1100ではなかったが…。70年代と思われる日本選手権ファイナルの映像を見たことがあるが、M1100おぼしき自動銃で撃たれている方がいらっしゃった。
Semi-automatic vs. Over Under
クレー射撃に使おうとすると、何かとネガティブなことを言われる自動銃であるが、リコイルショックが柔らかいとか、排莢の作業が要らないとか、メリットだって無いわけではない。トラップと違いスキートなら、隣の待機射手にエジェクションポートから飛んだエンプティ・シェルが当ったとか、足下に転がったとかで、睨まれる心配もない。
実際にスキート射場では、自動銃を使って、いつも高得点をマークされる方もいらっしゃる(その逆も沢山いらっしゃるのだが…)。そのような方に対しては、私などが射撃用上下で必死になって撃っても歯が立たない。また、私が上下と自動を撃ち比べてみても、スコア平均では誤差程度の差しか出てこない。
それでは、スキートに限って言えば上下でも自動でも関係ないのか?
否、そんなことはない。普通の状態では早々差などでないが、自動銃に回転不良は切っても切れない物だ。ここ一番の時に回転不良を起こして失中になり、それがきっかけで集中力を欠いてしまうこともある。夕方などは、排莢口から炎が見えて、目くらましを喰った状態になる可能性もある。故障の確率は上下より明らかに高い。これらを考えれば、1点を追う競技に使う銃は絶対上下2連だ。いくらオートが好きだからといって、それで公式に行こうなんて、間違っても思ってはいけない。

しかし、スキート射撃をやるシューターの何割が、公式戦に出たり、そこまではいかないけれど、真剣にスコアを追求しているか考えてみよう。統計は取りようもないが、きっと10%に満たない割合だと思う。まれに起こる回転不良や、上下よりは高い故障率に目をつぶれるなら、遊びで撃つ分には、お手軽価格で入手できる自動銃も選択肢の一つと考えても良いのではないだろうか?腕が上がればスコアも上下2連とほとんど変わらない点を出せるのだ。

Range Time
このSKBM1300がスキート専用であるとする特徴は、大口径固定スプレッダーチョーク銃身と、上下のストック寸法に近い、コムドロップの少ない専用銃床という部分だ。
自動銃でスキートを撃つのは本当に久しぶりだ。エジェクトポートにシェルを放り込み、ホールドオープンしているボルトをリリースボタンでクローズさせる。「ジャッキーン」という、乾いた音と共にシェルはボルトに銜えられながら、チャンバーに吸い込まれていった。上下2連の閉鎖とも、ポンプアクション銃の閉鎖ともまた違う、オートローダー独特の感覚だ。
ISSFルールでの1番の1回目はハイハイウスのシングルなので、そのままコールをし、クレーめがけて撃った。前オーナーが24g装弾使用を前提にしていて、ガスポートを少々拡大している事もあって、エンプティシェルは、勢いよく宙を舞った。1番の2回目、ハイハウスを先に撃つダブル射撃だ。ドンッ、ドンッ。結構速い回転で、上下2連から持ち替えても、苦になる様な感じはない。2番以降も快調な射撃が続く。贔屓目かも知れないが、バランスも重すぎず軽すぎずの絶妙なバランスで、とても、今日初めて撃った銃とは思えない調子である。数ラウンド撃って、いずれも19〜22点と快調だ。
しかし、1Rに1〜2回位、作動不良が起きる。肩付けが甘いとか、肩を引いてしまう時の作動不良ではない。排莢はきちんとして、次弾がマガジンから出ているのだが、キャリアが上がってこない。キャリアラッチボタンを押すと、ホールドオープンがリリースされて、次弾がチャンバーに送り込まれる。弱装弾による、後退不足の類の作動不良ではない。
試合なら、確実に平均点を落としてしまう…。(この作動方式の自動銃ではこの手のトラブルはメーカー問わずあるそうだ。)
どうも、ショットシェルがマガジンから出てくる時に、キャリアラッチをすり抜けてしまうようなのだ。対策として、キャリアとキャリアラッチの懸かりを弱くしてみたが劇的な改善は無い。バネもいじったが、他の部分に作動不良が出てしまい、これも効果はなかった。
撃ちやすい銃なのだが、1R毎にほぼ確実に1〜2回作動不良が出れば、射撃銃としては致命的だ。確率で言うと作動不良発生率は7〜14%と言うことになる。これでは毎回、作動不良発生に気が削がれてしまう。遊びでも使うのはちょっと御免被りたい。
だが色々調べていたら、SKBでの生産期間中に、キャリアに僅かな形状変更があったようだ。その改良部品に取り替えてみたら、作動不良は全くと言っていい位起きなくなった。完全に問題が解決したと断言はできないが、確実に改善されている。

スキートはシングル1発撃ちのシーンも含めると1ラウンドで14回の射撃がある。これを100個撃ちなら4倍の56回だ。100個撃ちで回転不良がもし1回なら、作動不良発生率は約1.8%となり、競技で撃っているわけでなければ、納得できる数値だと思う。
トリガープルの感覚も、輸入自動銃と比べると、アメリカ製のそれより、だいぶキレも良いように感じる。ストックは前述通り、自動銃には珍しく、射撃銃の寸法である。コムドロップが少ないので、反動は跳ねるより、まっすぐ後ろに来る。銃身長は26インチだが、自動銃は機関部が長いので、28インチの射撃用上下2連と同じか、僅かに長い。取り回すのが厄介な先重さはないし、ちょっとの力のいれ加減で、矢先が吹っ飛ぶような先軽でもない。一般シューターにはちょうど良いバランスだと思う。
Benelliなどのイナーシャ(inertia)タイプ程のスピードではないが、回転はかなり速いように感じる。回転が遅いガスオートのように、ストック内でスプリングがガチャガチャ動くような違和感も少ない。

Final notes
この銃の特徴である、大口径スプレッダー(spreader)チョークの効能の程は実感できないが、追い矢を延ばして撃ってみても、良く割れるので、スプレッダー+24gでは,パターンに巣が出来るという危惧もないようだ。入手後、短い間に1000発は撃ったが、一回も、そのような感じを受けたことはない。しかし、このチョークはものすごく汚れる。この部分の清掃には閉口した。
最近の、銃口よりかなり後ろにあるリコイル軽減用のガスポートは、かなり効力を感じるのだが、この銃の、先にある横向きスリットのマズルブレーキはあんまり効果がないように感じる。元々反動が柔らかく感じる自動銃に24g装弾では、上下2連のようには顕著な効果が感じられないのかも知れない。
24gでも作動不良が滅多に起き無くなった。撃っていても格安で買ったとは思えない程良く当たる。当分、この銃でスキートを楽しもうかと思っている。

May 23, 2005
Takuya Nagamoto
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