リムファイア・ライフル・アクションズ
Satoshi Maoka, with Turk Takano
ベンチレスト・シューティングといえば,通常はセンターファイア・ライフルを使用する競技を思い浮かべるだろうが,リムファイア・ライフルでもベンチレスト競技は行なわれている。
アメリカには,American Rimfire Association, USRA-IR50/50, Rimfire Benchrest Association (*1), これら3つの団体があり,それぞれ独自のルールで競技を行なっている。面白いことにリムファイア・ライフルのベンチレスト競技は,いずれの団体もグループの小ささを競うのではなく,点数制で勝敗を決めている。
グループによる勝敗で競技を行なうには,ムービング・バッカー(弾数確認用の動く幕)が必要になるが,ほとんどのレンジではこの設備が無いため,結果として点数制が採用されたのだと思われる。
センターファイアの場合,ベディングをすることで,ケースネック・ターニングや,ファイアー・フォーミングを含めた様々な “当たる弾を作る方法”があるのだが,リムファイアの場合は,リロードは出来ないので,市販のアモで競技を行なう必要がある。したがってアモに関しては,基本的にはevenの状態で競技が行なわれる。もっともアモのロットによる差とライフルとアモの相性の問題はある。
22LRは,風の影響を受け易く,屋外での射撃はかなり難しい。従ってコンディション調整に関して,リムファイア50mはセンターファイアの100m,リムファイア100mはセンターファイアの300mに匹敵すると言う事が出来る。リローディング・テクニックは別だが,コンディション調整に関してリムファイア・ベンチレストは,センターファイア・ベンチレストのトレーニングとして非常に有益だ。
日本では22LRのライフルは,アンシュッツが圧倒的シェアを占めており,その他といえば,一部にファインベルグバウ,ワルサーが使用されている。またごく少数のターナーやキングクラフトの製品が存在しているに過ぎない。これらの銃は日本のライフル射撃が,ポジション・シューティングを主体としているから選ばれているのだろう。今回はそれ以外の22LR用アクションとしてHallとKelblyを写真で紹介する。
 


▲ Hall Rimfire Action, ベンチレストでの操作性を重視し,左側にローディング・ポートがある。


▲ Kelbly リムファイア・アクション
アンシュッツはポジション・シューティング用ライフルのコンプリート・モデルとして極めて優秀だ。しかし,ひたすら精度を高めるために,銃をいじり倒すには,最新の2013アクションは必ずしも向いているとはいえない。
なぜならベディングに問題が出る可能性があるからだ。2013アクションはアクション底部のネジでバレルをクランプして保持している。これを緩めるだけで,バレルを取り外すことが可能だ。しかしこのクランプ法は,あまり好ましいものとは思えない。バレルを交換し,ネジを締めていくとき,その力加減でアクションの底部がたわむ可能性がある。すなわちバレル交換は容易だが,うっかりすると精度を台無しにしてしまう可能性がある。


▲ アンシュッツ 2013バレルド・アクション
アンシュッツは,自社のアクションとストックはグラス・ベディングが不要としている。アルミのストックとアクションの底部平面が密着するからだ。しかしそのアクションの底部が平面でなくなったら,この考えは根底から崩れてしまう。
アンシュッツはバレルを頻繁に交換することを推奨していない。そしてアクションのみを売ることはしない。22LRのポジション・シューティングの場合,その銃を購入した人は一生,バレル交換を行なわない可能性がある。したがってアンシュッツのアクションの設計は,使用目的に合っているといえる。バレル交換はアンシュッツを知り尽くした専門家に任せろということだ。
アンシュッツにはアンシュッツ独自のフィロソフィーがある。従ってコンベンショナルな形式のアクションと比べて,どちらの形式が優れているかは一概には言えない。しかし,工作室にこもって,自分で当たる銃を作り上げるのであるなら,HallやKelblyのアクションの方が,その目的に向いていると言える。
それとこれらカスタムRFアクションの場合,トリガー・ハンガー(またはトリガー・ブラケット)でレミントンM700系のトリガーが使える。ということはすなわち,ベンチ界で評判の高いジユール・トリガー(Jewell)も取り付けることが出来るのだ。これは競技シユーターにとって大きなメリットの一つになっている。


日本で長期にわたってポジション・シューティングを行なってきたシューターのガンセイフ(ガンロッカー)には古いアンシュッツ・ライフルがまだ健在かもしれない。競技には新しいアンシュッツ2013が使われ,古いモデル54アクションのアンシュッツは,眠り銃として廃棄処分となる運命かもしれない。しかし古いライフルを現役に復帰させることは可能だ。
写真のRFベンチレスト・ライフルは30年以上前のアンシュッツ・アクションに,シーレン・バレルをフィッテイング、マズルに4000Plusバレル・チユーニング・デバイスを付け蘇らせたものだ。シックス製ファイバーグラス・ストックにグルーイングしている。スコープは米国内RF競技で比較的人気のあるTasco 36×50を装着した。
古いアンシュッツ・アクションに限らず他のアクションにも同じようなことが出来る事は言うまでもない。高精度の.22LRライフルということだけでなく,個性的なライフルをもてるという一石二鳥のアイデアでもある。
(*1 Shooting Tipsで行なうリムファイア・ベンチレスト・マッチはアメリカのRimfire Benchrest Associationに認定された公式競技会である)
 
アメリカのベンチレスト界で評価の高いLapua MIDAS。
ELEY TENEX Ultimate EPSはどこまでLapuaに迫ることが出来るかまだ判らない。しかし日本のポジション・シューターからの評価は高い。WinchesterのSuper-XやWildcat 22などは格安だが競技で使うAmmo.では無い。また日本では通常手に入れることは出来ない。
by Satoshi Maoka, with Turk Takano
Feb.20, 2002
top
|