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The History of German Police Pistols ドイツ警察ピストル・ヒストリー Top page : Index

Chapter 8 Conclusion 終章
page 8-1 軍事連絡部、市民警察の武装と国境警備隊の武装
page 8-2 ニーダーザクセン州警察戦後の武装
page 8-3 ニーダーザクセン州警察のライフルとマシンガン
page 8-4 ケルン警察の使用弾数、チャンバーへの装填

page 8-3 ニーダーザクセン州警察のライフルとマシンガン
この連載リポートは、ドイツ警察のピストルについてまとめている。しかし、最終回の今回、警察武装に使用されたピストル以外のライフルやサブ・マシンガン(SMG)などその他の武器について記述したい。
1950年から1953年まで、ニーダー・ザクセン州のシュッツ・ポィッツアイは、7.92mm×57口径のマゥザー系のモデルKar98kライフルに準じたボルト・アクション・ライフルを装備した。
Kar98kは、第二次大戦終結まで、ドイツ軍(ベァマハト)で中心的な武装として使用された軍用ライフルだ。戦後、西ドイツ警察によって使用されたKar98kは、軍用として第二次世界大戦中でドイツ軍に使用されたKar98kと仕様が異なっていた。

 
ライフルからバイヨネット・ラグ(着剣装置)を装備したアッパー・バンド(上帯)が取り外され、リア・サイトが固定式となり、遠距離射撃ができなくなった。フロント・サイトもスポーツ・ライフルのようなものに変更され、全体的に狩猟用ライフルのような外見となった。
警察に軍隊をイメージさせるようなライフルを装備させないという、極めて政治的な改良だった。この警察向けのマゥザーKar98k改造ライフルは、一般的にツォル・ゲベァー(Zoll Gewher:税関ライフル)と呼ばれた。
1951年になると、イタリア・ベレッタ社製のモデル38/49Aサブ・マシンガンがニーダーザクセン州警察に採用されて装備された。モデル38/49Aサブ・マシンガンは、第二次世界大戦中に使用されたベレッタ・モデル38/42サブマシンガンの戦後改良型だ。のちに、ベレッタ・モデル38/49Aサブ・マシンガンには、MP2(マシーネン・ピストーレ)という西ドイツ制式名が与えられ、1966年まで使用された。

1953年になると、ニーダーザクセン州警察にアメリカ製のM1カービンが81挺導入された。このM1カービンも一部は改造され、特殊なストックが装備されて、スポーツ・ライフル様な外見をしたものもある。
これらニーダーザクセン州警察によって使用されたライフルやサブ・マシンガンなどには"LPN" (ランデス・ポリッツアイ・ニーダーザクセン)の刻印が打たれた。
1958年、ニーダーザクセン州警察は、モデルG1アサルト・ライフルを採用した。モデルG1アサルト・ライフルは、西ドイツ国防軍が、戦後第一世代のアサルト・ライフルとして選定、装備していた。

西ドイツ軍は、新たにモデルG3アサルト・ライフルを採用したため、モデルG1アサルト・ライフルは、グレンツシュッツ向けに再配備された。モデルG1アサルト・ライフルは、ベルギーのFN社で製造された西ドイツ向けのモデルFALアサルト・ライフルだ。
モデルG3アサルト・ライフルの生産が軌道に乗り、西ドイツ軍への供給がじゅうぶんになると、ニーダーザクセン州シュッツ・ポリッツァイにもモデルG3アサルト・ライフルが供給され、先行モデルG1アサルト・ライフルと交換された。
1955年、マシンガンとして、ラインメタル社のモデルMG1マシンガンと、モデルMG2マシンガンも装備された。
シュッツ・ポリッツアイが、マシンガンまで装備するところからも、単なる警察ではなく、準軍隊の性格をもつ国内軍的組織であることが理解できると思う。

1983年、警察装備が必要以上に高性能であってはならないとする西ドイツの世論に配慮した形で、モデルMG1マシン・ガンとモデルMG2マシンガンの後継マシンガンのヘッケラー&コッホ・モデルG8ヘビー・アサルト・ライフルを装備した。

H&KモデルG8ヘビー・アサルト・ライフルは、ヘッケラー&コッホ社が生産しているモデルHK21マシンガンを発展させた製品だ。モデルHK21マシンガンから、ベルト給弾機能を外し、マガジン・ハウジングを装着し、20発の弾薬を装填できるモデルG3アサルト・ライフルのマガジンを使用できるように改造したものだった。しかし、外した給弾機構部品を再び組み込むことも可能で、給弾機構を組み込むと、H&KモデルG8ヘビー・アサルト・ライフルは、バレルこそ短いものの、HK21マシンガンに準じた性能をもつライト・マシンガンとして機能する。
1966年、ブンデス・グレンツシュッツ(連邦国境警備隊)は、ヘッケラー&コッホ社製のモデルMP54サブ・マシンガンを採用した。モデルMP54サブ・マシンガンは、ブンデス・グレンツシュッツのトライアルで、”MP5”のトライアル名称が与えられた。ブンデス・グレンツシュッツは、以降モデルMP54サブ・マシンガンを、モデルMP5サブ・マシンガンと呼ぶようになり、メーカーのヘッケラー&コッホ社もモデル名を変更し、改めてMP5サブ・マシンガンの名称を与えた。

▲ Hecler & Koch MP5 early version
ニーダーザクセン州警察も、それまで使用していたベレッタ・モデル38/49Aサブ・マシンガン(MP)にかわって、モデルMP5サブ・マシンガンを採用し、1969年までにのすべてを交換した。
ニーダーザクセン警察に採用された最初のモデルMP5サブ・マシンガンは、固定式のプラスチック・ショルダー・ストックを装備したモデルMP5A2サブ・マシンガンだった。1977年になると、モデルMP5A2サブ・マシンガンのボルトの一部に改良を加え、その後も小改良が10年にわたって続いた。

▲ Heckler & Koch MP5A3 improved version
ヘッケラー&コッホ社のモデルMP5サブ・マシンガンは、モデルG3アサルト・ライフルと同様、ローラー・ロッキング・システムが組み込まれている。サブ・マシンガンとしては複雑な構造をしているが、クローズド・ボルトで発射する。
クローズド・ボルトで発射するところから、モデルMP5サブ・マシンガンとして命中精度が優れており、先行したワルサー・モデルMPKサブ・マシンガンやモデルMPLサブ・マシンガンを追い落とし、西ドイツで採用する州警察が増加した。

▲ Walther MPK ▼ Walther MPL

その後、H&KモデルMP5サブ・マシンガンは、国際的にも評価が高まり、西側諸国の特殊部隊用サブ・マシンガンのスタンダード装備となっている。

▲ Heckler & Koch MP5 SD3
ニーダーザクセン州では、シュッツ・ポリッツァイの武装とするだけでなく、シビル・ポリッツァイも、赤軍によるテロが激化した1970年代以降、モデルMP5サブ・マシンガンをパトロール・カーの車内装備とした。
ヨーロッパの警察は、ピストルで対応できない場合、サブ・マシンガンで対処する。アメリカの警察官が、ショットガンを多用しているのと比較すると興味深い。
その他の警察装備として、シグナル・ピストル(信号ピストル)がある。シグナル・ピストルは、単に信号弾を発射するだけでなく、アダプターを組み込んで催涙弾の発射機としても使用された。ニーダー・ザクセン州警察で使用しているシグナル・ピストルは、エルマ(Erma)社製、ヘッケラー&コッホ社製、ゲコ(Geco)社製のものがあり、いずれも26mm口径の信号弾を使用する。

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